CO2排出量を可視化することで、物流における脱炭素と
業務効率化・コスト削減を同時に実現できました。
――EcoLogiPortalの導入効果――
CO2排出量を可視化することで、物流における脱炭素と業務効率化・コスト削減を同時に実現できました。――EcoLogiPortalの導入効果――
CO2排出量可視化ソリューション「EcoLogiPortal」
写真左より、日本トムソン株式会社
片山 隆氏(物流業務部 部長)、平山 景太氏(経営企画部 経営企画課 課長)
岡嶋 徹氏(常務執行役員)、石田 一生氏(物流業務部 課長)
写真左より、日本トムソン株式会社
片山 隆氏(物流業務部 部長)、平山 景太氏(経営企画部 経営企画課 課長)、岡嶋 徹氏(常務執行役員)、石田 一生氏(物流業務部 課長)
1950年設立のベアリング(軸受)メーカー「日本トムソン株式会社(以下、日本トムソン)」では、物流におけるCO2排出量の可視化・管理のため、CO2排出量可視化ソリューション「EcoLogiPortal」(以下、EcoLogiPortal)を導入。CO2の排出量と積載率の把握が可能となり、コスト削減やCO2排出削減に貢献しています。その導入の経緯と効果について紹介します。
| もくじ | |
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日本トムソンの設立は1950年(昭和25年)、グループ全体の従業員数は2,420名(2025年9月末時点)。主な事業内容は、直動案内機器、ニードルベアリング(針状ころ軸受)、メカトロシリーズ、諸機械部品の製造・販売です。「社会に貢献する技術開発型企業」を経営理念とし、優れた製品を単に提供するだけでなく、社会およびお客様にとって不可欠な存在をめざしています。
直動案内機器シリーズ(写真提供:日本トムソン) |
ニードルベアリング(写真提供:日本トムソン) |
メカトロシリーズ(写真提供:日本トムソン) |
「環境経営やカーボンニュートラルにも、積極的に取り組んでいます」
(岡嶋氏)
製品面では「エコプロダクツ」として環境対応製品を展開。潤滑油の使用量を99%削減できる製品などを提供し、ベアリングでは機械装置の摩擦を低減し、エネルギー効率を高めることでCO2排出削減に貢献しています。
一方、当社ではサステナブル経営として環境への取り組みも推進しています。2001年にISO 14001を取得。その後も、20年以上環境経営を強化してきました。2021年にサステナビリティの基本方針を策定し、2022年にはサステナビリティ委員会も設置しました。CO2削減目標として、2030年度までに2022年度比でスコープ1と2を42%以上、スコープ3カテゴリー1を25%以上削減し、2050年度には全スコープでカーボンニュートラルをめざしており、SBT認定を取得しています。削減の取り組みとしては、省エネ活動、バーチャルPPA、オンサイトPPA、太陽光発電など再エネ調達を進めており、現在グループ全体の使用電力の約9.6%が再エネ化されています。
また、環境省のESGファイナンス・アワード・ジャパンで賞を受け、CDPでも気候変動でBランク、水セキュリティでA-ランクを獲得。さらにサステナブルリンクファイナンスを活用し、借入金利とGHG排出量削減量をリンクさせることで、目標達成へのインセンティブを設けています。生物多様性についてもTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)のアーリーアダプターに登録し、2026年度にフルレポートを開示する予定です。
「定期的に積載率を見て、深掘りして調査しています」
(片山氏)
EcoLogiPortalには月に1回、3PLを依頼している各協力会社から輸送領域におけるCO2排出量を提出してもらい、社内データと突き合わせてデータを投入しています。月に数回はEcoLogiPortal上のデータを見て、状況の変化を確認しています。主に積載率を見て、極端に低いものから順番にお客様の状況や運送状況を調査しています。CO2排出量が多い納品先と積載率の両方を見ながら、改善効果が高そうな箇所をピックアップして調査しています。
また、EcoLogiPortalのCO2排出量データを、可視化・削減・報告を支援するクラウドサービス「アスエネ」と連携し、環境省が提供している営業車両の平均積載率の数値ではなく、実際の積載率データを使用してCO2排出量を算定しています。連携は、ロジスティードソリューションズにオプションで開発してもらいました。
EcoLogiPortalの画面イメージ
運送の見える化を実現していくために、より正確なデータを作成し、CO2排出量の可視化と社内での運送効率の向上を図っていきたいです。物流業務部では国内物流をより精緻に把握し、最適な物流方法を見出したいと考えています。
また、将来的にはロジスティードソリューションズの倉庫管理システム「ONEsLOGI/WMS」の導入も検討しており、それにより倉庫内の在庫状況や滞留状況も可視化したいと考えています。
もともとはアスエネ向けのデータを作成するだけでしたが、それではもったいないと考え、同じ作業をしながら運送の見える化ができるデータ作りをしたいという思いを抱いていました。
物流に関わるCO2排出量の集計は手作業で行っており、精度が低く、データ項目など統一性がない状態でした。
「データの可視化が進み、次のアクションが取りやすくなりました」
(石田氏)
以前はスプレッドシートを用いて手作業でデータ処理していたため、算定とデータクレンジングに非常に時間がかかっていましたが、EcoLogiPortalを導入して業務が効率化されました。また、CO2排出量が数値として可視化されたことで、物流領域における課題が明確になり、それに対するアクションが取りやすくなり、KPIも設定できるようになりました。積載率が明確になり、環境省の平均値ではなく実際のデータに基づいた算定が可能になりました。
さらに、CO2の排出量が多い納品先と積載率を両方見る機能も役立っています。例えば、積載率が低かった納品先では、大型トラックでの少量配送を見直し、小型トラックによる混載に切り替えることで、年間数百万円のコスト削減やCO2排出量の大幅な削減を実現しています。
「トライアル期間を提供してもらえたのも選定理由の一つです」
(平山氏)
運送の見える化を目的に、さまざまな展示会で複数のサービスや製品を見たうえで、信頼性が高いと感じたロジスティードのEcoLogiPortalを選定しました。プレゼンテーションの際に、EcoLogiPortalだけでなくONEsLOGIという包括的な物流ソリューションを持っていることを知り、将来的にはONEsLOGI/WMSなどのシステムの導入も視野に入れて選びました。サービスを試用するトライアル期間を設けてもらえたのも選定理由の一つとなりました。
EcoLogiPortalに関しては、可視化機能が優れており、CO2算定方法が第三者機関から認証されていること、業務改善につながるソリューションであること、アスエネとスムーズに連携できる点も重要なポイントでした。QCD(Quality, Cost, Delivery)の観点からも当社にマッチしていると判断し、月々のランニングコストも、回収できると見込んでいます。
ロジスティードソリューションズには、データの可視化により改善が進んでいく中で、定期的な相談やさらなる改善提案をいただきたいと思っています。また、現在、集計するデータの対象が国内の物流のみとなっているので、海外物流(北米、欧州、アジアなど)についても今後、ロジスティードソリューションズに相談しながら、取り込んでいけるようにしたいと考えています。
現在は海外現地法人ごとに物流コスト管理をしており、統合管理ができていないため、グローバルな物流知見を持つロジスティードソリューションズの提案に期待しています。
* 取材日時 2025年12月
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。
