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ONEsLOGI Cloud /WMSを導入することで、
商品特性やネット通販ならではの商習慣へと柔軟に対応できる、
効率的な出荷体制を確立できました。

長島梱包株式会社 様

クラウド型倉庫管理システム

(写真左より、長島梱包株式会社 取締役 事業統括本部 副本部長 小此木 章氏、
同本部 営業開発部 営業1課 主任 江頭 朝憲氏、同本部 営業顧問 高木 善雄氏、
同本部 中部圏事業部 松本事業所 巣山 敏秀氏)

長島梱包株式会社 様

長島梱包株式会社(以下、長島梱包)では、楽天市場などの大手インターネットショッピングモールに出店する通販事業者向けの3PL事業を本格展開するにあたり、日立物流ソフトウェアのWMSクラウドサービス「ONEsLOGI Cloud /WMS」を導入した。そのねらいと効果について詳しく伺った。

* 取材時期 2015年8月
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。
* 2023年4月1日付で、日立物流ソフトウェアはロジスティードソリューションズへ商号変更しました。


もくじ
  1. 長島梱包の事業概要
  2. 通販会社向けの3PL事業に「ONEsLOGI Cloud /WMS」を活用
  3. 現場効率の向上、負荷軽減、誤出荷防止などの専門性を高めたWMSの導入を検討
  4. 作業効率を落とす要因となっていたネット通販ならではの例外的な対応
  5. 専門性、クラウドサービス、信頼性、利用コストを要件にWMSを選定
  6. WMSとしての機能だけでなく、日立物流ソフトウェアの経験やサポート体制なども高く評価
  7. 数多くの出荷量にも対応できる体制を実現し、3PL事業の競争力強化にも貢献
  8. ビジネスパートナーとして期待

1.長島梱包の事業概要

長島梱包 横浜事業所の外観

長島梱包 横浜港事業所の外観

―― 長島梱包の事業概要について教えてください。

当社は社員数約300名、国内事業所数9カ所、関連会社国内4社・海外1社を展開する「ナガシマグループ」の中核企業として、90年にわたり培ってきた技術力をベースに、梱包・輸送・保管業務を中心としたトータルロジスティクス事業を展開しています。

1926(大正15)年に薪炭販売業の「長島國治商店」として創業し、1944(昭和19)年に「日本梱包工業株式会社」を設立。「長島興業株式会社」および「長島梱包運輸株式会社」へと改称した後、1952(昭和27)年に現在の社名である「長島梱包株式会社」となりました。その後2001(平成13)年の分社を経て、現在にいたります。

2.通販会社向けの3PL事業に「ONEsLOGI Cloud /WMS」を活用

―― 「ONEsLOGI Cloud /WMS」の利用状況について教えてください。

長島梱包ではインターネット通販事業者向けの3PL事業を展開しています。楽天市場などのインターネットショッピングモールにおいて浴衣専門店を運営する通販会社様(以下、荷主様)から委託されている物流倉庫において、「ONEsLOGI Cloud /WMS」を利用しています。

大まかな作業の流れは次の通りです。

1
ショッピングモール上の受注データは、一部、荷主様で補正・情報付与された後、
長島梱包作業にて「ONEsLOGI Cloud /WMS」に取り込みます。
2
倉庫では「ONEsLOGI Cloud /WMS」からピッキングリストと出荷指示書、
「お買い上げ明細書」を出力します。合わせて送り状を作成し、送り状発行システムへ
取り込みます。
3
ピッキング完了後、商品と「お買い上げ明細書」を梱包して、送り状を添付して出荷します。
長島梱包 浴衣類を管理している棚の様子

浴衣類を管理している棚の様子

4
出荷した商品は、在庫データに反映されます。

―― 倉庫業務の規模について教えてください。

季節やセールによって変動しますが、浴衣および帯や足袋などの関連商品を保管・管理しているスペースは約200坪です。出荷量は月に5千明細から1万明細ほどになります。

ピッキングおよび梱包は、出荷量に応じた人員体制で作業をしています。

3.現場効率の向上、負荷軽減、誤出荷防止などの専門性を高めたWMSの導入を検討

長島梱包株式会社 取締役 事業統括本部 副本部長 小此木 章氏

「ほしかったのは、通販に特化したWMSです」(小此木氏)

―― なぜ、「ONEsLOGI Cloud /WMS」を導入することになったのでしょうか。

以前は、汎用的な在庫管理システムを利用していました。標準的な機能に通販機能を追加しましたが、さらなる荷主様増大にあたっては通販に特化した新たなシステム構築が必要でした。

今回の荷主様におけるショッピングモールからの受注データは独自の形式で、システム上では例外的な処理となってしまう場面も多く、手作業で対応しなければならない状況でした。それが、作業のボトルネックにつながりかねない要因となっていました。

また、手作業が介入するため在庫データをリアルタイムで反映することが難しく、受注在庫と現品在庫の乖離も発生していました。

それでも平常時は現場の「がんばり」でカバーしていたのですが、繁忙期やセール期間中は、作業員を大量に増員しなければならない状況も発生していました。

そこで、作業効率を高めると同時に現場の負荷軽減、誤出荷などのリスク排除、さらには通販向け3PL事業のインフラを整備するため、通販に特化したWMSを導入することにしました。

―― バーコードによる商品管理の効率化などは検討しなかったのでしょうか。

今回のケースに関しては一点物も多く、一部の定番商品を除き同じ商品が繰り返して入荷することもほとんどありません。物量は限られており、短いサイクルで出荷されていきます。また、入荷した箱のまま仮置き(仮ロケーション)をした状態からピッキングしないと間に合わないこともあり、バーコードによる管理はかえって非効率だと判断しました。

もちろん、状況に応じてバーコードなどの活用が有効であれば、導入することはやぶさかではありません。しかし、それよりも先に手を打たなければならないことが数多くあり、それらを解決することで十分、作業を効率化し誤出荷につながるリスクを排除できると考えました。

4.作業効率を落とす要因となっていたネット通販ならではの例外的な対応

長島梱包株式会社 事業統括本部 中部圏事業部 松本事業所 巣山 敏秀氏

「セット品などの受注データに対応するために、手作業が発生していました」(巣山氏)

―― 具体的には、どのような場面で「手作業」が発生していたのでしょうか。

例えば、「セット品」とよんでいる例外的なオーダーがあります。これは今回の荷主様独自の受注データで、例えばお客様は浴衣だけを選び、帯や紐は「お任せ」で注文をするオーダーとなります。「お任せ」なので楽天市場からの受注データには商品が指定されておらず、荷主様が「セット品」となる商品を追記します。

楽天市場システムにおいては、追記される商品は「メモ欄」に記載されます。そのため、倉庫側で別途、手書きでピッキングリストに追加する必要がありました。

手書きですとピッキングリストの追記に時間がかかると同時に、セール開催時に「セット品」が増えることも重なり、繁忙期にはピッキングリストの完成待ちで作業の開始時間が遅れることもありました。手書きによるオーダーの引き当て結果を在庫データに反映するのにも工数がかかり、リアルタイムで対応ができないこともありました。

また、欠品があるオーダーがあっても、旧システムではピッキングリストを出力し、在庫がある商品のみピッキングを済ませた後、別途、「取り置き」の対応を行っていました。当日に出荷できないピッキング作業をすること、さらには「取り置き」の作業などが、効率化を妨げる要因となっていました。

5.専門性クラウドサービス信頼性利用コストを要件にWMSを選定

長島梱包株式会社 事業統括本部 営業顧問 高木 善雄氏

「荷主様に提供するサービスの一部となりますので、信頼性やサポート体制なども重視しました」
(高木氏)

―― 導入するWMSはどのように選定したのでしょうか。

4つの要件をベースに導入するシステムを検討しました。各要件の詳細は次の通りです。

要件1
専門性

これまでも話をした通り、ほしかったのは汎用的に使えるWMSではありません。WMSとしての基本機能を備えているのは当たり前。その上で、大手通販ショッピングモールの受注データにも柔軟に対応できるWMSです。

要件2
クラウドサービス

最初からクラウドでと考えていたわけではないのですが、次のメリットを考えてクラウドサービスであることを要件としました。

  • ハードウェアやシステム導入・開発に関する初期導入コストを抑えられること。
  • ビジネススケールに合わせて、規模やコストを柔軟にコントロールでき、荷主様追加などの横展開も容易なこと。
  • システムインフラの運用や維持にあたり、当社人的リソースが不要なこと。
要件3
信頼性

クラウドでもオンプレミスでも変わりはありませんが、荷主様の信頼を維持するサービス機能のみならず、サポート体制を含めたサービス提供ベンダー自体の信頼性も重要視しました。

要件4
利用コスト

サービスによって、初期費用や事業単位、利用拠点数、利用ユーザー数などのライセンスに関する考え方やコスト体系が異なるので、当社の事業形態や事業計画を想定して、コストシミュレーションを実施しました。

6.WMSとしての機能だけでなく、日立物流ソフトウェアの経験や
  サポート体制なども高く評価

長島梱包株式会社 事業統括本部 営業開発部 営業1課 主任 江頭 朝憲氏

「荷主様が増えてもコストを抑えながらスケールアウトできる点を評価しました」(江頭氏)

―― 「ONEsLOGI Cloud /WMS」を採用した理由を教えてください。

「ONEsLOGI Cloud /WMS」は実績が豊富なパッケージWMSをベースとしたクラウドサービスなので、WMSの基本機能は申し分ありません。それに加えて、最新の通販専用機能や思想が反映されている点を高く評価しました。

さらに、今回は結果として当社からの要望やノウハウが標準機能として反映されている部分もあり、今後、通販やBtoCに対応したWMSとして機能を拡充しようとする、日立物流ソフトウェアの姿勢や意気込みにも期待しました。

また、日立グループ、そして日立物流グループの物流ITの専門会社として、実績・経験が豊富で、サポート体制も充実していることから安心して使い続けることができると判断しました。

最終的にはコストシミュレーションを実施し、『出荷数に対する従量課金制であること。ユーザー数に制限がないこと。将来的に荷主様が増えてもオプションメニューでコストを抑えながらスケールアウトできる。』点などを評価し、「ONEsLOGI Cloud /WMS」の採用を決めました。

7.数多くの出荷量にも対応できる体制を実現し、3PL事業の競争力強化にも貢献

―― 「ONEsLOGI Cloud /WMS」の導入効果について教えてください。

現場における改善効果としては、作業時間が大幅に短縮され、出荷量がピークとなるセール期間中でも作業時間の短縮を実現できました。その具体的な要因は、次の通りです。

1
例外的なオーダーへの対応

WMS(「ONEsLOGI Cloud /WMS」)上で受注データのメンテナンスができるようになり、「セット品」のような例外的なオーダーにも柔軟に対応できるようになりました。

具体的に説明すると「セット品」の場合、従来の手書きを追記した商品をWMS上でピッキングリストに反映できるようになり、ピッキングリストが完成するまでの時間が大幅に短縮されたことで、出荷作業全体の時間が短縮されました。

また、欠品のあるオーダーは自動でピッキングリストから除外され、取り置きの状態(ステータス)とし、必要な商品が入荷するまでピッキングリストに反映されないようにしました。そのため、その日に出荷可能なオーダーのみをピッキングし、「取り置き」の管理や再作業するためのスペースなども不要となりました。

2
帳票出力順の同期

「出荷指示書」、「お買い上げ明細書」、「送り状」の突き合わせ用の同一番号を記載し、オーダーごとの同期を取るようにしました。帳票を並べ直す必要がなく、梱包時の突き合わせも容易になり、誤出荷・誤封入の防止にもつながりました。

3
在庫の見える化

入荷済みで未入庫の商品をパレット上に「仮置き」して作業せざるを得ない場合があります。以前は、「仮置き」情報と在庫情報の整合化をシステム上で管理するのは容易ではなかったのですが、今回、WMS上で仮置きロケーションの管理もできるようになりました。そのため、入庫済みの在庫と合わせて一元管理ができるようになり、マスタ設定による引き当て順を制御することで仮置きロケーションの在庫を優先的に引き当てることも可能となりました。

―― クラウドサービスならではの導入メリットもあれば教えてください。

要件項目でも挙げた「低初期コスト」、「スケーラビリティ」、「低運用負荷」といったメリットはもちろんですが、実際に利用してみると、緊急時に事務所以外の場所からでもシステムにアクセスできるのは便利だと思います。

また、特別な設定や機材を用意しなくても、ネットさえつながればどこからでも、リアルタイムで在庫データを閲覧できるようになり、荷主様からも喜ばれています。都度、電話などで在庫状況を確認せずに済みますし、入荷計画の参考にもしていると聞いています。

―― 経営的な視点で見たときの「ONEsLOGI Cloud /WMS」の導入効果についてはいかがですか。

今後、通販向け3PL事業を展開するのにあたり、作業の効率化と迅速化を実現するインフラが確立され、各荷主様や商品特性に合わせて柔軟な対応ができるようになりました。

コスト競争力という点でも大きなアドバンテージになると捉えており、取扱量との関係でこれまで3PLを利用するのが難しかった荷主様にも、サービスの内容、そしてコスト面でもご納得いただけるサービスを提供できると確信しています。

また、信頼できるベンダーのWMSを利用しているということで荷主様からの信頼も得やすくなりました。その結果、お客様の満足度向上にもつながると期待しています。

しかも、「ONEsLOGI Cloud /WMS」であれば、通販のみならずBtoB向けの3PL事業にも対応できることから、さらなる荷主獲得にもつながると確信しています。

8.ビジネスパートナーとして期待

―― 日立物流ソフトウェアに対する要望や期待があればお聞かせください。

日立物流ソフトウェアは、導入が正式に決まる前から熱心に対応していただき、利用者目線で当社からの要望やアドバイスにも耳を傾けてくれました。

また、システムのリリースに際しても、細かな使い勝手などの改善も随時対応してもらえるので、日立物流ソフトウェアのWMSクラウドサービスを採用して間違いはなかったと確信しています。

当社が通販向けの3PL事業を展開していく上で欠かすことのできないパートナーだと捉えていますので、今後とも協力をしながらビジネスを広げていきたいと考えています。

長島梱包株式会社 様

長島梱包株式会社

本社横浜オフィス所在地
 神奈川県横浜市中区新山下3丁目6番7号
創業
 1926年12月
代表者:取締役社長
 長島 祐司
資本金
 7,000万円
事業内容
 梱包事業、ロジスティクス・ソリューション事業、
 ディスプレイ事業、包装資材・物流機器販売事業、輸送サービス事業、ITサポート事業
URL
 http://www.nagashima.co.jp/ ※長島梱包株式会社 会社サイト

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